『ロマンティック』

       作詞・作曲/篠 和義


2003年の東北の旅のエンディングに歌わせていただいた
篠 和義さんの『ロマンティック』について

5年前、バンドの練習に彼は突然やって来た。

バンマスが連れて来たのだ。彼は多くの人に自分の歌(詩)を聞いて貰うため
都内の駅前などの
路上でオリジナル曲にこだわり歌っているという。
自分達のやっているジャンルとは違うが何かインスピレーションを感じた。
練習が終わりすぐにベース担当と3人で別のスタジオへ。
そこでこの曲と出会う。彼はこの曲をバンドでやりたいと言った。
いきなり演奏。自然とついてきてという感じ。
俺そんなに実力ないんだけど・・・
時間切れにて、なんとなく次回までにこの自分がアレンジすることになった。
『では、お願いします!』とコードが書かれた歌詞カードを渡される。
曲は生で断片的に何回か聞いただけ。
こりゃ
大変なこと引き受けちゃったかな?と思った。

帰りの電車の中、忘れないようにメロディを頭の中でなぞる。
しかし、家に着くと
すっかり忘れてしまった。何せ2時間の長旅(笑)。
コードを弾いて歌ってはみたが思い出せない。
コピーするわけではないし、もういいや!
自分がやるからにはビートの利いた
ロックにしてやろう
ポップにするためには必要かなとイントロにかかる。これは原曲には全くないもの。
結果、明け方までギターを引き続けて、忘れないように録音する。
デモテープが完成したのはそれから2、3日程度だったと思う。
ドラムマシンに打ち込みし、リズムギターとリードギターを入れた。
バンドでやるからにはリードは自分で弾きたい。しっかりギターソロも入れた(笑)。

すぐ連絡し、ベース担当が会社まで取りに来てくれた。
その際、篠さんが作ったデモテープを初めて聞いた。おいおい全然違うぞ。
これホントに同じ曲かよ!って感じ。
開き直って気に入らなければ(まず気に入らないでしょうね)それで良い。

スタジオに集まりジャムる。
私がアレンジした曲を何の支障もないかのように彼は歌い始めた。
自分自身、曲としてはかなり気に入っていたが、歌詞を踏まえると大分違うなと感じで
申し訳ないと感じていたのにだ。

数日後、新しいテープが届く。
ドキドキしながら再生すると、一見全く違う(原曲とも自分のものとも)曲が流れた。
しかし、この
イントロは間違いなく自分のメロディだ。歌のメロディは全く別
ロックを意識し、ハイトーンヴォイスを必要としたキーの変更がなされていた。
そして、正式なレコーディングでギターを弾いて欲しいという。
これまた大変だ!
すぐに新しい曲にあったプレイを考える。
考えると言ってもただテープに合わせてギターを弾くだけ。
イントロは変える必要はない。リードだけなので歌詞の合間にオブリガードを挿入。
ソロを新たにして、エンディング・ソロまで入れる。

こうして、全く別の曲が生まれた。

ヴァージョンにして4通り
 1.篠さんのオリジナル(静かで幻想的な感じ)
 2.私のロック・ヴァージョン
 3.(1+2)にアレンジをしたもの(曲調は1、2どちらとも違う)
 4.最終型(もちろん1、2、3のどれとも違う曲調)

やはり最終型が一番良い。
歌(詩)の意図するところに一番近い(合っている)と思う。
アレンジはいたってシンプル。
でも凝ることよりシンプルに
良い曲を作る方がずっと大変なんだよね。

常に新しいものを創出していく作業はこの時点の私の仕事とバイクによる旅に
通じるものを感じた。



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